知人が経営する飲食店にちょくちょくお邪魔するのだが、何度か出入りしていると顔見知りも増え相手の職業なども知る間柄となる。
当然、私も探偵を生業にしている事を告げるが「おもしろエピソード」は秘密厳守で話せないと最初から釘を刺す。
そんな、私の探偵としての生真面目さが功を奏してか?常連客達との交友が楽しくなってきている。
その常連客の中にとあるスポーツで世界選手権を過去に優勝した人物がいる。
私は詳しくないがその業界ではレジェンド的存在なのだそうだ。
ゴルフやサッカーなどのメジャースポーツではないため、私はレジェンドを
●●ちゃん
と呼び気を使わずリラックスした間柄で過ごしている。
それでも世界の頂点にたった男の言葉はどこか深い意味があり、それでいて思いやりが存在している。
年齢も同じなこともあるが、体力的に厳しい事情は言葉にしなくともお互い伝わってくる。
そんな中年オヤジ二人が抱える悩みは共通で、お互い「メタボ」でお腹が気になっている。
レジェンドは職業柄その手の話題には興味惹かれまくりで、たまたまテレビで拝見した「ロングブレスダイエット」を二人の中年オヤジが店内で始めて大爆笑となった。
レジェンドの表情は真剣そのもの。
私も負けじと探偵に必要な体力を取り戻すため必死の形相。
夢のように楽しい時間は夜な夜な東京湾の海風を満喫できる街で流れている。
依頼を断る時とは
報酬の為に依頼を引き受ける探偵ではあるが、私個人は時々依頼をお断りすることがある。
どう考えても相談内容に「嘘」が存在しており、調査の目的が不透明な相談者はお引き取り願っている。
理由は簡単である。
信頼できない依頼者は調査後にも必ずトラブルを引き起こすからである。
調査報告に対するクレームや前もって提示していた報酬へのクレーム、ほかには違法性に絡んだ調査であったりと「嘘」がある案件は大きなトラブルの基で要注意なのである。
基本的に探偵業法に従って届け出を営んでいる探偵達には、違法性のある依頼を受けないガイドラインが設けられている。
依頼人とのトラブルを解消するために出来た法律でもあるが、根本的には、探偵が判断して断る決断が行えていれば何の問題も無いのである。