世界一有名な探偵

有名な探偵シャーロックホームズ 裏話

世界一有名な探偵といえば「シャーロックホームズ」であるということに反対する人は少ないと思う。

みなさんがご存じのシャーロックホームズはコナンドイル(おそらく名探偵コナンはこのコナン由来でしょう)作の推理小説の主人公。

シャーロキアン (Sherlockian) と呼ばれる熱狂的なファンを世界中で獲得してきた。

日本人では牧野伸顕、長沼弘毅、 河村幹夫、 田中喜芳、 小林司、 開高健、 大槻ケンヂ、島田荘司などがシャーロキアンとして知られているようだ。

シャーロキアンは日々、シャーロック・ホームズを聖典とあがめながら、その世界観の研究にいそしんでおり、その研究対象はホームズの性別、バスカヴィル家の特定、ワトスンのミドルネームなど多岐にわたっている。

シャーロックホームズを生み出したのはかっこいい男を輩出することに定評のあるイギリス文学の伝統があると思われる。

代表的な例は、無人島に漂着しても一言の不平も言わなかったダニエル・デフォー作のロビンソンクルーソー漂流記の主人公があげられると思う。

男という物を未熟で滑稽な物としかとらえない日本文学では、シャーロックホームズやロビンソンクルーソーが生まれるのは難しいであろう。

シャーロック・ホームズは薬物中毒!?

シャーロックホームズシリーズの魅力というのはその主人公のかっこよさにあることは間違いない。

大卒(その当時の大卒はインテリ)で科学的な豊富な知識を持ち合わせ、鋭い洞察力とエスプリの効いた言語表現、スポーツは万能で、ヘビースモーカーというほぼ完璧な男性像であり(とにもかくにも煙草に対する嫌悪感が漂う昨今では煙草に対するイメージも変容するかもしれない)盟友ワトソンとの交流はシャーロキアンの涙をそそる。

そして、結構、有名な話だがシャーロックホームズは薬物依存症患者である。

作品中にコカインやモルヒネを吸引して、事件の解決に望む姿が見受けられる。

ただ、その当時のイギリスではコカインやモルヒネの依存性や精神に与える悪影響がまだ確認されていない状況、今のようにコカインやモルヒネを規制する法律は存在しなかった、当然のことながら警察がそれらを取り締まるということもなかったということを理解することが大事である。

おそらく警察も夜勤等で疲れたときにコカインやモルヒネを吸引していただろう。

薬はやるは煙草は吸いまくるは、でもスポーツ万能というのがシャーロックホームズの大きな魅力である。

シャーロックホームズといえばあの格好

シャーロックホームズといえば、「インバネスコートと鹿撃ち帽にパイプ」といういでたちが有名だが、実は小説ではそのような格好の描写はない。

スーツの描写はあるので、その当時、イギリスで人気のあったスーツのデザインから予想ができ、シャーロックホームズが煙草愛用者であったことからパイプの存在も作者が意図したものである。

それに対して、インバネスコートに鹿撃ち帽という服装は挿絵などによって広められた物である。

ただ、もう映画化などもされ、シャーロックホームズがあれ以外の格好をすることはもう許容されないであろう。

現実の探偵に「なぜ調査会社で働くことを選んだのですか」と質問したら、けっこう多くの人が「少年時代にシャーロックホームズを読んだから」などと答えるかもしれない。

ただ、探偵の実際の業務は殺人事件の推理ではなく、浮気調査や素行調査が主となり、探偵の業務は目立つことが許されないのでパイプも帽子もかぶれないという事実を忘れてはいけない。

それを踏まえても、シャーロックホームズに少年時代に出会った読者が探偵になるのはとても素晴らしいことだ。

やはりワトソン的な相棒も欲しいところである・・・。

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